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M&A(企業買収)その1〜M&Aの流れ〜

こんにちは、naganoです。

今回から数回に分けてM&Aについて解説していきたいと思います。

最初となる今回はそもそもM&Aは?という説明と一般的なM&Aの流れについて解説していきます。

M&Aとは

最初にM&Aとは?ですが、ウィキペディアでは以下のように説明されています。

M&A(エムアンドエー、Mergers(合併)and Acquisitions(買収))は、企業・事業の合併や買収の総称である。

M&Aとは、「Mergers(合併)」and 「Acquisitions(買収)」の略で、直訳すると「合併と買収」という意味である。さらに簡単に言うと、「ビジネスの売買(買収)」、「複数のビジネスを一つに統合(合併)」するための手法。

また動機・目的として、同じくウィキペディアでは

日本の大企業のM&Aの動機として多いのは、「国際競争力をつけるため」「国内市場競争力強化のため」「破綻企業再生のため」の三つともされる。

日本の中小企業のM&Aの譲渡側の動機として多いのは、「後継者問題」および「事業の将来性の不安」の二つともされる。 日本では昭和30年代、40年代に創業した多くの中小企業の創業経営者が後継者難に直面しており、この問題の解決策として中小企業の友好的M&Aが静かな流行となっているという。非上場会社の経営者が事業の継承を考えた時、選択肢としては「親族または社員への継承」「株式上場(IPO)」「清算」「M&A」という4つがありはするものの、実際は最初の2つは諸条件をクリアして実現できることは稀で、「清算・廃業」は従業員にとって最悪の選択肢で、結果としてM&Aという選択肢が浮上してくるという。

このように説明されています。要するに買い手としては、企業を大きくしたい。売り手としては今のままでは事業を継続していくことが困難。といった双方の思惑が合致した際に行われるのがM&Aです。(もちろんその他の理由もあります。今回はM&Aの概要を把握できればOKなので詳細は省きます。)

M&Aの流れ

ではどういった流れでM&Aが行われるのか、買い手企業の一般的な流れを説明いたします。

ステップ1 戦略立案

M&Aはそれをする自体が目的ではなく、あくまでも手段です。目的は戦略の実行ですので最初に戦略を明確にすることが重要です。先にもあった「国際競争力をつけるため」「国内市場競争力強化のため」「破綻企業再生のため」を実行するためにM&Aという手法が取られます。まずはそれに向けた戦略立案が重要になります。

ステップ2ー① ターゲット企業の選定

M&Aを行いたいと考えた際、ターゲット企業の選定には様々な方法があります。一番簡単なものとしては金融機関などから案件が持ち込まれることです。ただ、その場合高額な手数料がかかったり、また優良な案件がなかったりとなかなか買いたい企業が見つからない場合があります。スッテプ1でみた戦略立案にそって自ら能動的に動く必要があります。

まずは広く情報を収集し、より魅力的で買収可能性が高い企業を20~30社絞り込み、最後は5社程度まで絞り込んだリストを作成し、優先順位をつけて1社ずつアプローチをしていく。といった手法が用いられます。

ステップ2−② 案件持ち込み

自社で選定をしつつ、金融機関やM&A専門会社からの持ち込み案件についてももちろん検討を進めていきます。最初はノンネームシートという形で簡単な情報がもたらされるので、自社の戦略と照らし合わして有益な案件の可能性が高いと判断できれば、機密保持契約を締結して詳細な情報を入手します。この時提供される情報パッケージはインフォメーションメモランダムと呼ばれ、事業概要や過去数年間分の財務情報など買収対象企業の全体像が把握できます。

ステップ3 フィナンシャル・アドバイザー(FA)の選定

FAの役割としては、企業価値算定や財務的なアドバイス、ターゲット企業の選定や買収スキーム立案、交渉支援から最終契約、クロージングに至るまで全般的なアドバイスを提供することです。こういった業務は投資銀行や証券会社、M&A専門会社など色々な企業が行っていますが、それぞれ得意とする規模や報酬水準など様々ですので、その案件に応じたFAを選定することが重要です。

ステップ4 ターゲット企業へのアプローチと初期分析

アプローチする方法としてはステップ2でみたそもそもその案件をどのように選定したかによって変わってきます。自社で選定した場合は直接打診する場合もありますし、金融機関などから持ち込まれた案件の場合はその持ち込んできたところを通じて打診します。ターゲット企業と接触し、M&Aに前向きな意向が確認できた場合は、相手側から基礎的な情報を提供してもらい初期分析を行います。

ステップ5 企業価値算定(バリュエーション)

初期分析の結果を踏まえ、買収金額を決める基礎となる企業価値算定(バリュエーション)を行います。方法としては、①マーケット・アプローチ(市場株価法、類似会社比較法等)、②インカム・アプローチ(DCF法、収益還元法等)、③コスト・アプローチ(修正簿価純資産法等)という3つのアプローチがあります。ただし、かなり専門的な話や、評価担当者の主観的な判断が入ってしまう方法もあるので、FAなど外部機関による評価を受けるようにしましょう。

ステップ6 買収スキーム(手法)策定

一口にM&Aといっても、合併、会社分割、株式譲渡、事業譲渡、株式交換、新株引受等様々なスキームがあります。また、スキームによって会社法上の手続きや会計・税務処理の違い、必要となる資金やシナジー効果の実現のしやすさなどメリット・デメリットがあるので多角的な角度から専門家のアドバイスも受けながら最適なスキームを選択することが重要になってきます。

ステップ7 交渉

交渉は買収金額の他、買収にあたっての諸条件を明記した意向表明を行うことから始まります。価格は算定結果をそのまま提示するわけではなく、上限・下限のレンジを設定し、交渉に臨むことが重要です。また、持ち込み案件の場合は複数の買い手候補があり入札形式になっているケースもあるので、シナジー効果も織り込んだ価値も検討するなど、入札で勝てる価格を想定する必要があります。

ステップ8 基本合意(LOI、MOU)

基本的な条件が合意に至れば、基本合意を締結します。基本合意はLOI(Letter of intent)やMOU(Memorandum of understanding)とも呼ばれ、基本的にはM&Aを実行する法的義務を規定するものではありませんが、基本合意を締結する意味合いとしては、重要な条件面の合意が図られることや、排他的交渉権が買い手企業に与えられることで交渉が進めやすくなることになります。

ステップ9 デューデリジェンス(DD)

基本合意後に本格的なDDを実施します。DDの主な目的としては、買収対象企業の財務実態の把握とリスク事項の抽出、及び買い手企業とのシナジー効果の詳細分析にあります。対象分野は財務DD、法務DD、ビジネスDDが主なもので、必要に応じて人事DD、環境DDなども行われます。財務DDは監査法人や会計事務所、法務DDは法律事務所、ビジネスDDは買い手企業自身か経営コンサルティング会社が担当することが一般的です。DDで発見されたリスク事項については、金額換算できるものは価格のマイナス要因に、逆にDDを通じて期待されるシナジー効果が新たに発見された場合はプラス要因として織り込むことも可能です。

ステップ10 最終契約

交渉の結果全ての条件が合意に至ると、最終契約書(スキームによって株式譲渡契約書、合併契約書、事業譲渡契約書などタイトルは異なる)が締結されます。これにより、各当事者は一定の条件の下にM&Aを実行しなければならない法的な義務を負うことになります。ただし、通常、クロージングが完了したまではM&Aが完了したとはいえません。通常クロージングを行う前提条件として、各当事者がクロージングまでに行わなければならない事項が最終契約に規定され、この前提条件をすべてクリアして初めてクロージングを迎えることができます。

ステップ11 クロージング

クロージングの前提条件を全てクリアすると、晴れてクロージングの実行となります。クロージングでは株式譲渡の場合だと、株式代金の決済、株券の授受、株主名簿の書換え、重要物の授受などの手続きが行われます。クロージングにより、法的にはM&Aが実行されたことになります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?M&Aの概要はなんとなくわかりましたでしょうか?今後、DDの進め方や企業価値算定方法など各ステップの詳細について説明していきたいと思います。