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M&A(企業買収)その2〜買収戦略の立案〜

こんにちは、naganoです。

今回はM&A(企業買収)シリーズの第2回目「買収戦略の立案」についてです。

第1回:M&A(企業買収)その1〜M&Aの流れ〜はこちらからご確認ください。

戦略の重要性

まずは買収戦略をたてることが重要です。買収戦略とは買収対象とする事業分野を特定すること。その前提として、買い手企業の経営戦略が重要になってきます。

よく陥りがちなのがM&Aが目的化してしまうことです。そうなると「とにかくM&Aを成功させたい!」となり、買収対象企業のリスクや金額査定が甘くなり、とにかく案件を成約させることが最重要課題となってしまいます。まずは「M&Aは一つの手段であり、目的は経営戦略の実行」ということを忘れないようにすることが重要です。

では具体的な戦略について見ていきたいと思います。

ターゲット別買収戦略

一口に「M&Aを活用して成長を実現する」と言っても色々な考え方があります。大きく分けて次の3つがあります。

  1. 既存事業分野の拡大(水平統合型のM&A)
  2. 関連事業分野の拡大(垂直統合型のM&A)
  3. 新規事業に進出する

1.既存事業分野の拡大

事業規模拡大戦略

同業者を買収、もしくは同業者と経営統合することで事業規模を拡大し、規模の経済性を働かせて経営効率を高める戦略です。いわゆる水平統合型のM&Aと言われ、金融業界や通信業界、流通業界など多くの業界の大手企業同士による合併や経営統合がその典型です。

エリア拡大戦略

地理的に新たな市場を獲得するため、他の地域の同業者を買収する戦略です。国内はもちろん、海外の同業者を買収することもあります。

ロールアップ戦略

比較的規模の小さな同業者を複数買収することにより、事業規模を拡大するとともに、経営資源の共有化を進め収益性の改善を図る戦略です。

2.関連事業分野での拡大

バリューチェーン拡大戦略

バリューチェーンの川上もしくは川下にある企業を買収することで、原材料の安定供給、技術や顧客ニーズの取り込みによる製品開発力の向上や販売収益の拡大などを目指す戦略です。いわゆる垂直統合型のM&Aと言われ、卸売会社によるメーカーあるいは小売会社の買収などがそれにあたります。

製品ラインアップ拡大戦略

機能、価格帯、用途、対象顧客などが異なる製品群を取り扱う企業を買収することで、取り扱い製品のラインアップを拡大する戦略です。低価格帯を扱っていた企業が高価格帯の商品を扱う企業を買収したり、男性用品企業が女性用品企業を買収するといったことがこれにあたります。

3.新規事業に進出する

コンゴロマリット化戦略

既存の製品や市場と関連性の薄い事業を営む企業を買収して新規事業進出を果たし、事業を多角化していく戦略です。複数事業を展開することでの範囲の経済性の発揮だけでなく、「大規模企業グループの一員」として傘下のグループ各社において信用力やブランド力を活用した有利な営業展開や人材採用が可能となるなど、広範はシナジー効果により、単純合算した以上の企業価値向上が実現できる可能性があります。

事業ポートフォリオ転換戦略

複数事業を抱える企業が、M&Aを活用して大胆に事業構成を組み替える戦略です。これまでその企業の柱となっていた事業が成熟化を迎え、新たな成長エンジンを模索する企業において有効です。

まとめ

M&Aを進めていく上で戦略を練る際の一助になればと思います。「何でもいいから持ってこい」では有望な案件はきません。またM&A仲介会社の中では「何でもいいから案件を紹介してくれ」という企業は売り手企業の問題点ばかり上げてM&Aには踏み切らないので「何も持っていかない」というのが常識にもなっているようです。M&Aを目的化せず、経営戦略を実行するための手段とするためにも買収戦略をはっきりさせることが重要です。

今後もDDの進め方や企業価値算定方法など各ステップの詳細について説明していきたいと思います。