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M&A(企業買収)その4〜フィナンシャル・アドバイザー(FA)の選定〜

こんにちは、naganoです。
前回まででM&Aの大枠の流れ、買収戦略立案、ターゲット企業の選定について説明してきました。
今回は実行フェーズとして、フィナンシャル・アドバイザー(FA)の選定について書いていこうと思います。

過去の記事について以下をご参照ください。
第1回:M&A(企業買収)その1〜M&Aの流れ〜
第2回:M&A(企業買収)その2〜買収戦略の立案〜
第3回:M&A(企業買収)その3〜ターゲット企業の選定〜

FAとは

ターゲット企業が決まると、いよいよ実行フェーズです。M&Aは実行に際して実務上極めて高度かつ専門的な知識が要求されます。そのため、通常は外部の専門家のサポートが不可欠になります。その助言や支援を行うのがフィナンシャル・アドバイザー(FA)です。FAサービスは投資銀行、証券会社、商業銀行、M&A専門会社、コンサルティング会社など様々な会社が提供しています。

FAの役割

ターゲット企業の選定からクロージングまでM&Aプロセス全体に関与して案件をリードするのがFAの役割です。具体的には

  • 案件の推進方法に関する助言、スケジューリング
  • ターゲット企業の情報収集
  • ターゲット企業の企業価値算定
  • 買収スキームの助言
  • デューデリジェンスの調整・支援
  • 交渉に関する助言
  • 契約書などに関する助言

などです。

そしてこれらのうち最も重要なのが企業価値算定と買収金額に関する助言です。企業価値の算定はちょっとしたさじ加減で数億円単位で評価額が変わってしまうこともあります。また上場企業の場合、株式市場が買収金額が過大だと評価すると、株価の下落などを招くリスクがあり、取締役は善管注意義務や忠実義務の違反などの責任を問われかねません。

FAの報酬体系

リテイナー・フィー

FAへの報酬体系は通常リテイナー・フィーと成功報酬の2本立てとなっています。リテイナー・フィーは着手金としてアドバイザリー契約締結時に一括して支払うケースや、毎月一定額が発生するケース、それらを併用するケースがあります。

リテイナー・フィーの金額については、案件の規模や性質により大きく異なり、月数十万〜あるいは着手金で300万円〜といった規模から月1,000万〜1,500万程度といった規模まであります。

成果報酬

成果報酬は、買収対象企業の買収金額に応じて報酬額が決まる報酬体系(レーマン方式)が採用されることが一般的です。算定に用いられるレートはFA会社によって多少異なりますが、一般的には買収金額に応じて1~5%のレートが適用されることが多くなっています。

買収金額の考え方

レーマン方式の場合、成果報酬の算定基礎となる買収金額とは必ずしも買い取る株式の価格だけではありません。一般には企業価値を指し、株式時価総額に有利子負債を加算したものになります。企業価値は企業が将来生み出すキャッシュフローの現在価値合計額を意味します。企業が生み出したキャッシュフローは有利子負債の債権者と株主に帰属するため、企業価値には債権者価値も合算されます。例えば、買収対象企業の株式価値が10億円、引き継ぐ有利子負債が100億円であれば、買収金額は110億円ということになり、これに一定のレートを乗じて成果報酬額が計算されます。

FAの立ち位置(仲介会社との違い)

FA(アドバイザー)と同じようにM&Aを行う企業に対して助言を行う専門家として、M&A仲介業者があります。両社は同じように見えますが実際は全くの別のものです。FAは基本的には売り手か買い手のどちらか片方にのみ助言を行います。一方M&A仲介業者は売り手買い手の双方に対して助言を行います。そのため最終的な目的が大きく異なり、FAは売り手、買い手どちらかアドバイザリー契約を結んだ先の利益の最大化が目的となり、仲介会社は利益相反取引になるため、立場的には中立でマッチングをすることが目的になります。

まとめ

今回はM&Aを進めるにあたり、外部の専門家であるFAについて紹介しました。M&Aは多額のお金が動くのはもちろん、財務、法務、会計・税務などかなり専門的かつ高度な知識が必要になります。FAのようなM&Aを専門に扱っているところに適切なアドバイスをもらいつつ進めていくことが大切になってきます。