
ビーズクリエイトの鈴木です。
先日、社内会議で物の価値についての議論がありました。「なるほど」と思う内容であり、米価格の報道が続いている昨今ですので、復習をかねて物の価値の決まるメカニズムを整理してみました。
1.物の価値が決まるメカニズム
物の価値は、主に需要と供給のバランスによって決まります。市場における需要は、その物をどれだけの消費者が欲しがっているかを示しており、供給は市場にどれだけの量が提供されているかを示します。もし需要が供給を上回れば価格は上昇し、逆の場合は価格が下落します。このように、需要と供給の相互作用が市場価格を形成し、物の価値を決定します。
2.競争入札と随意契約の違い
競争入札とは、売り手、または、買い手が取引相手を公募で募り、最も条件の良い提案をする相手と契約を結ぶ方式です。一方、随意契約は入札を行わず、売り手、または、買い手が直接相手を選定し、交渉を経て契約を結ぶ方式です。
– 競争入札は、複数の参加者が公平に価格を競う事となるため、透明性と公正性が高く、多くの参加者が取引条件を熟慮したうえで価格を提示するため、最適な価格で取引が成立する可能性が高くなります。
– 随意契約は特定の相手と直接交渉を行うもので、交渉の中で確認される取引条件や、交渉の前提となった関係性が重視されますが、シンプルで迅速に契約を結ぶことができるため、急を要する場合に適しています。
3.売り側が買い手を募る競争入札を行う場合の売り手側のメリット
競争入札を行うことで、売り手は多くの買い手からの提案を受け取ることができて価格競争が発生します。これにより、物が市場での最高価格で売れる可能性が高まります。また、市場価格に対する透明性が高まり、適正な価格で物を売る機会となり、公正な取引を促進します。これにより、コンプライアンス上の観点では、売買取引における信頼性の向上が図れる事となります。
また、入札を行う事で、新たな取引先を開拓する機会も生まれます。
市場が閉鎖的で競合が少ない(存在しない)場合や、市場がタイトな状況下では、売り手にとって好条件での売買契約が成立する可能性が高まります。入札で買い手を募ると最も提示条件の良い先に販売する事になるため、最近のタイトな米市場は高値がつく構造となっていたのでしょう。
4.買い側が売り手を募る競争入札を行う場合の買い手側のメリット
買い手にとっては、競争入札を行うことで、潜在的な最安値で物を購入できる可能性があり、最適価格の発見につながります。さらに、異なる提案を比較することで、リスクを低減したり、自分にとって最も有利な条件で取引を進めることができる利点があります。
コンプライアンス上の観点では、購入価格決定プロセスにおける透明性を確保する事ができます。
5.随意契約における価値の設定方法
随意契約における価値の設定は、事前の市場調査や類似商品の過去の取引価格をもとに、売り手と買い手の間で交渉によって決定されます。売り手と買い手の関係性や信頼性が重要となり、品質や供給安定性の評価を行ったうえで、最終的には双方が合意する価格で価値が設定されます。
6.物とコトで価値の決定メカニズムは異なるのか
物(財)は主に客観的な価値基準があり、数量と品質が明確である事が多いため、需要と供給のバランスで価値が決まるため、比較的単純な価値決定といえますが、コト(サービス)は、無形性と個別性が特徴で、体験価値や提供される満足感に依存することが多いため、主観的であり価値設定がやや複雑です。サービスでは、品質、提供者のブランド、顧客の期待値、提供場所やタイミングなど、多様な要素が価値に影響を及ぼします。つまり、得られる体験の表現のしかた、伝え方で価値が大きく変動する可能性を持っているという事になります。
しかしながら、コト(サービス)の価値も、隣接サービスとの価値比較が発生しますので、単独での価値形成というわけではありません。例えば、アクティビティと芸術など、分野が全く異なるコト(サービス)でも、どちらに限られた予算やリソースを使うのかは体験の期待値の大小により選択が変化しますので、コト(サービス)の価値は複雑に設定されます。

7.まとめ
物の価値は、市場における需要と供給の関係性によって決まります。競争入札は公正で透明性の高い取引を目指すために行われ、売り手と買い手の双方にメリットがあります。一方、随意契約は取引の迅速化や信頼関係を重視する場合に有効です。物とコトの価値は異なる要素で決定され、それぞれの特性に応じた価値形成メカニズムが存在します。
物(財)は客観的に価値を測られる一方、コト(サービス)は体験価値が測定基準になりますので、複雑性が高く、個人の価値基準や競合サービス状況によって価値を上げたり下げたりする事につながります。
我々ビーズクリエイトが提供するサービスはモノではなくコトである事を目指しています。
クライアントの皆様に最高の体験をしていただく事がミッションですので、その価値について、適切にお伝えしてゆきたいと思います。
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