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マーケティング

実世界で応用できるゲーム理論

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こんにちは、高藤です。

前回のブログでは、ジレンマの説明にフォーカスしていたため、あまり説明はしませんでしたが、ここでゲーム理論の特徴を、基礎的なところからお話しします。(前回のブログはこちら

ゲーム理論の根底にあるもの

ゲーム理論の基礎は、「相手の行動を予測して、それにあった最適な方法で行動をする」ことです。

確かに前回のブログでボブとアートも、それぞれ相手が黙秘または自白した時に、自分が黙秘するとどうなるか/ 自白するとどうなるか考えて、自分に最適な方法を選んでいましたよね。

自分の行動とそれに対する相手の反応、または予測される相手の行動を併せて考えた上で、最適な結果になるよう行動するのです。

したがって、ゲーム理論では、自分の直感だったり、感情的な考えは一切考慮せず、合理的に物事に筋道を通して考えます。

ゲーム理論は現実世界に応用できる?

こちら個人間の駆け引きを例に考えると、こんな話が挙げられます。
浮気を繰り返す彼氏とその彼女という二人のプレーヤーがいて、彼女の方は繰り返される浮気に薄々感づいていて、別れた方が身のためだと思っている。そこで別れたいと彼氏に切り出してみたら別れないで欲しいと言われた。彼女の方にも実は感情が少し残っており、その一時の感情に流されてしまい、別れないことにした。よってまたずるずると関係を続けてしまう・・・。

しかしここで彼女の方がゲーム理論に基づき、次の様に考えることができたらどうでしょう。

彼女は度重なる浮気に薄々感づき始めていた。そこで、自分と彼氏が今後取りうる行動について合理的に考えてみることにした。

①彼女は別れたい。
②それに対して彼氏は「わかった、別れよう」というか、「別れたくない」という。
③「わかった、別れよう」と言われた場合
③-1 別れる→終了、もう傷つくことはない
③-2 別れない(別れたいって言ったけどやっぱ別れるのは無理)→さらに傷つく可能性あり
④「別れたくない」と言われた場合
④-1 別れる→終了、傷つくことはない
④-2 別れないで関係を続ける→また浮気されて傷つく

 

感情論はなしにして、これら③-1,2と④-1,2どちらをみても別れる方が良さそうである。
よって、別れる。

もちろん人間の話なので感情が入ってしまうのは仕方がないことですが、、、
こういう風に合理的に考えた方が自分のためになることは、案外多い気もします。

 

今のは個人間のお話でしたが、例えば企業間のゲームだと、とある市場に新規参入予定の企業vsその市場でシェアを持っている企業、というものも挙げられるかと思います。

元からいる企業にとって、ゲーム理論的に考えると新規参入予定の企業が本当に参入してくるのか、もしくは撤退するのかで、市場においての自分の戦略を変える必要があります。

新規参入してくるとして、その新参入企業がどの様な戦略をとってくるのか、低価格戦略か差別化戦略か。低価格戦略で挑んでくる場合、自分たちの今の戦略はそれに打ち勝つことができるのか、できないのか。できなかったとしたらどの様な戦略が有効なのか。

こうして物事を順序立てて考えていくと、かなり合理的に次にとるべき行動を見極めることができます。

それが成功につながるのか、もしくは失敗につながるのかはやってみないとわかりませんが、それでもやらないよりかは良いと思います。

したがって、ゲーム理論は戦略的に物事を考える必要がある時には欠かせない理論となっているのです。

ゲーム理論ってとても大事。

ここまでくるとわかるかもしれませんが、ゲーム理論では相手の立場に立って考える力というのが必要となってきます。相手が自分に対して取りうる行動を見極め、推測し、その推察した行動からさらに、自分のその後の行動について、どの様に行動すれば一番良い結果が得られるのか、ということを考えなければならないからです。

なので、このゲーム理論というものを理解するだけでも、自分で何かを考える必要がある時に、まず相手の立場に立って考えてみる、という思考法を意識することができると思います。これはマーケティングをやっている方や営業マンの方にはかなり必要な思考法ではないでしょうか。

それぞれお客様がどのような行動をとるのか考える癖をつけ、そして正確に予測することができたなら、それはかなりの力になると思います。

以上ゲーム理論をほんの少し現実世界に応用してみたブログでした。