IEという大きな存在、だったもの

WEBサイトに関わる上で、ブラウザという存在は切っても切り離せない身近で必要なものです。
私達は制作者側でもあるので、ある程度どういうものか分かっていますが、利用者側で気にしている人はそれほどいないと思われます。
実際にお客様のWEBサイトに関わらせていただくと、話しの流れでブラウザに触れることもあるのですが、WEBサイトが身近になったことで、それにまつわる道具を良くも悪くも意識されていないと感じる場面が何度もあります。
今回はかつて最も有名で世界に貢献した『IE』を中心にブラウザに触れてみます。

ブラウザとは?

『ブラウザ』と慣れない言葉よりは、多くの人にとってはChrome、Edge、Safariの方がはるかに名前が通っていると思います。
WEBサイトを見よう、と思った時にPC・スマホ問わず使うソフトですね。
上記はソフトの固有の名前で、より正確には『ウェブブラウザ(web browser)』がソフトの正式な名称です。
その役割はWEBサイトを見る為のソフトです。
もう少し細かく突っ込むと、WEBサイトを表示する、リンクを辿る、動画などのコンテンツを動かす機能を備えています。

歴史と進化

PCにもWEBサイトにも歴史があるように、ブラウザにも歴史があります。
ブラウザは90年代前半からいくつか誕生し、ブラウザで画像が表示できるようになったことでユーザーが一気に増えました。
初期で有名なブラウザというとNetscapeですが、まもなく95年以降にMicrosoftからIEことInternet Explorerが誕生しました。

IEはWindowsに最初から搭載されている標準ブラウザとなったことでWindowsのシェア急増に伴い、ブラウザのデファクトスタンダードとして地位を確立しました。
2002年には利用率は最大で95%とほぼ完全な独占状態にまで成長しました。
その後、IEという圧倒的な牙城を崩すべく、ブラウザ業界は長い期間IEを中心としつつも、MS製以外のブラウザも多く誕生しました。
現在でも名が通っている、Firefoxが2004年、2008年にGoogle Chrome、2015年にMicrosoft Edgeが誕生しました。
ちなみにMacのブラウザというとSafariですが、こちらは2003年。

さて、ブラウザの利用者が増えると求められることも増えていきます。もちろんそれはWEBサイトを作る側からもです。
文字だけだったWEBサイトで画像が表示できるようになり、文字やイラストが動き出し、ゲームが遊べて動画が見れるようになりました。
一時代を築いたFLASHだけで数記事書けますがそれは割愛……
WEBサイトのコンテンツ以外にも、ブラウザの機能として最も大きな変化を齎したのはタブではないでしょうか。

ブラウザの誕生から2000年代後半まで、ブラウザにタブ機能はなく(メジャー以外のブラウザにはあったかもしれません)、1ページ開くとブラウザがもう1画面開くというものでした。
2006年のIE7でようやくタブ機能が追加されたことで、1画面で複数のWEBページを切り替えられる今のスタイルが手に入りました。
これは余談ですが、IEのタブ機能の実装は業界的には(たしか)遅い方で、他のブラウザの方が早く実装していました。
私も当時IEのアップデートを待っていられず、タブ機能欲しさにSleipnirを導入しました。

2000年代より、IE一強状態からあちこちで新しいブラウザが興り、各ブラウザが競い合うことで機能や使い勝手は進化していきました。
今ではブラウザのシェアの過半数はChromeが占め、残りを幾つものブラウザが数%ずつという状況です。
それでも未だにIEのシェアがある辺り、影響の大きさが窺えます。

『腐ったミルク』との戦い

Windows95〜8までの間、バージョンアップを重ねながらIEは11代も生き続けました。
その中で最も存在感が強いのはIE6ではないでしょうか。利用者にとっても、サイト制作者にとっても。

IE6はWindowsXPの標準ブラウザであり、XPはWindowsの歴史の中で最も現役の世代が長いOSでした。
それ故に、多くの人が長く使ったブラウザで、多くのサイト制作者が泣かされました。

サイト制作者にとってIE6という存在は非常に頭の痛い存在でした。
美麗なあるいは機能性に優れた、その時代に見合った最新のWEBサイトを作っても、IE6ではまともに表示されないのです。
グラデーションで装飾した部分が単色になったり、透明な画像が扱えない、影の描写ができないetc……

できることならIE6の存在を無視してWEBサイトを作りたいのですが、WindowsXPが使いやすく、サポートの期間も長かった為か、個人法人問わず多くのPCはXP、アップデートされないIE6を使い続けるという状況は世界中で起きており、IE6を無視できない状況が何年も続きました。
ついにはMicrosoftが公式で「IE6は腐ったミルク」と呼んで、IE6やWindowsそのもののアップデートを呼びかける事態まで起きました。
(参考:ITメディア

それでも使う人は使いますし、シェアがある限りサイト制作者はIE6を意識して制作を続けなければいけません。
多くのサイト制作者はこの苦しい状況を数年近くも強いられていたので、IE6には色々と複雑な思いがあると思います。
私も、IE6がいなければ、10〜20%の作業時間は減っただろうなと述懐することは今でもあります……

主役の交代、豊富な選択肢

そんなMSの呼びかけに効果があったのかはともかく、機能拡張が豊富なFirefoxや、サイトの表示が早いChromeなど、IEにできないことを他のブラウザが進歩させていったことと、WindowsXPから7や8、そして10への無償アップグレードなどを経て、ゆるやかにIE6のシェアは減っていき、いまでは数%程度となりました。(これでも多いですが)

Window10からは標準ブラウザとしてEdgeが登場しましたが、正直存在感がありません……こっそりIE11も搭載されているのもあってどうにも影が薄いです。
未だにIEは存在していますが、10で標準ブラウザから外れたことからも、次世代のWindowsでは完全に消えることでしょう。実に20年以上の活躍でした。

今ではかつてのIEのようにChromeが台頭しており、シェアの寡占はおそらく加速するでしょう。
他に有用なブラウザが誕生しても、最早YoutubeもGoogle運営とWEBのコンテンツと表示する道具の両方を備えたGoogleには敵わないでしょうからね。

今の時代のいいところは、多勢であっても未だに2000年代からのブラウザの隆盛が続いていることです。
ブラウザをWEBサイトを見るための道具と捉えれば、道具は自分に合った方がいいと思いませんか?
少し探せば色んなブラウザが見つかります。
考えなくてもIEだけを与えられた時代ではなく、今は複数の選択肢があることが分かっている状態です。
普段使っているブラウザというものに目を向け、自分好みの道具を探してみるのも一興ですよ。

※文中で触れた通り6を含むIEは既に一般的なブラウザではない為、当社ではIE向けの表示調整等は、WEBサイト制作等の案件では対応しておりません。

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この記事を書いた人: ito

ビーズクリエイトで主にディレクション・コンサルティング・分析等を担当しています。

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