1. HOME
  2. B'scre8
  3. STPは古い?セグメント・ターゲティングについて徹底解説
B'scre8

STPは古い?セグメント・ターゲティングについて徹底解説

営業の鈴木です。
本日はセグメントとターゲティングについてお伝えしていきます。
セグメントとターゲティングを理解することで以下のような事が実現できます。

①消去法が減るのでビジネスの勝率が上がる
②セグメントを分割する事で利益の最大化につながる

 

STP分析とは

STP分析とは、セグメンテーション(市場細分化)、ターゲティング(狙う市場からターゲットを絞る)、ポジショニング(自社の立ち位置)の3つの英単語の頭文字をとって名付けられたフレームワークです。

STPを用いることで新たに事業を展開する際に、自社の狙うべき市場や自社の立ち位置を明確にすることが可能です。
特にセグメンテーション(市場細分化)、ターゲティング(狙う市場からターゲットを絞る)がSTPを行ううえで競合と差別化する軸を決める事ができます。

『セグメント』と『ターゲティング』を簡単に説明すると以下のようなイメージとなります。

セグメントとは

セグメントとは簡単に説明すると、市場を分割することです。
では、なぜセグメントを分けるのか?それは、最小の予算で最大の利益を上げる為に必要だからです。

例:アルコール市場をセグメントする場合

①日本酒②ワイン③ビール④ウイスキー⑤焼酎のように市場に分けることができます。
事業を始めるうえで、全ての市場のニーズに応えようとするとコストが4倍(利益率が悪くなる)かかってきます。
セグメントを区切る事で、日本酒に需要があるから日本酒の専門店をオープンしようと決断する事ができるのです。

ただ、セグメントを区切る事で重要になるのが根拠に基づいてセグメントを区切る事です。
ここで大事なポイントが1つあります。それは『市場を分割しても事業として存在できるのか?』というのを以下の4つの変数に基づき決めることです。

①地理変数
地域に基づいてお店のコンセプトや商品を変える事
例 住宅街に高級エステサロンを出すか?

②人口変数
世帯・職業・性別・年齢などの要素によってコンセプトを変える事
例 高齢者多い地域にナイトクラブ(ディスコ)を出すか?

③心理変数
金銭に合理的ではなく心情で判断する要素を取り入れる事
例 1人の昼食代500円はケチるのに女性と2人のディナーには1万を使ってしまう男性など

④行動変数
顧客が求めるロイヤリティ・求めるベネフィットのこと
例 タクシーに乗り心地を求めるのか・それともスピード(到着時間)を求めるのかなど

このように4つの変数に基づき市場を区切る事が大切になってきます。

ターゲティングとは

ターゲティングとは市場の中から狙うターゲット層を絞る作業と言われています。
つまりセグメントした市場からさらに年齢・地域・性別などに切り分けていくことなのですが、実はこれだとあまり効果が期待できません。
なぜならSTPと言われるフレームワークが1900年代終盤の100年近くも前のフレームワークだからです。

現代のターゲティングとはセグメントを決める根拠になる要素をターゲティングと言います。
例えば美容院を例に考えてみましょう。

セグメント:①カット②カラー③トリートメント④パーマ
ターゲティング:年齢・地域・性別・年収

①カットというニーズでセグメントした場合、そこから根拠もなくさらにターゲティングをして狭めてしまうと市場の規模がさらに縮小し機会損失につながります。また、成果が出る可能性が下がり、②カラー③トリートメント④パーマのセグメントに対しても消去法でのトライアンドエラーが必要になってきます。(つまりセグメントを分割しているつもりが、結果的に全てまたは複数の市場のニーズに応える形になり利益率が悪くなります)

では、どうやってターゲティングをしていけばいいのか?それは仮説立てと検証です。
改めて美容院市場で考えてみましょう。

例:オフィス街で美容院を出店すると考えた場合

①仮説(ターゲットになりえる人)
・おしゃれにそこまで気を遣わない人もいるのではないか(おしゃれなヘアスタイルは二の次で、とにかく伸びた分だけカットして手軽に済ませたい)
・髪を切る際のシャンプーを求めていない人
・髪を切るのは思いつきで計画的ではない人
・予約せずに行きたい人

②セグメント
地理変数・・・オフィス街での競合の少ない
人口変数・・・お金はあるけど時間がない
心理変数・・・髪を切る行為に時間とお金をかけたくない
行動変数・・・髪を切るというのは突発的な心理状態
セグメント ①カット②カラー③トリートメント④パーマ

③検証
カット市場に需要がありそう。オフィス街だからターゲットは忙しいビジネスマンでお手軽さを提供しよう。
→ここで実際登場して成功をおさめたのが10分1000円のQBハウスです。

このようにセグメントを分割する前に仮説を立てることでより、その市場(エリア)はどこにあり、誰(顧客)によって創られていて、誰が(競合)満たしているのかを決める要素となります。

まとめ

①セグメントとは市場を根拠に基づきそれぞれのニーズに区切る(地理変数・人口変数・心理変数・行動変数)

②ターゲットとはセグメントを更に区切るのではなくセグメント選択の要素集め(仮説立て)