
「今回のプロジェクトでは、最初に計画をきちんと立てて、中間の目安を明確に設定しよう。
その後は、君が主導権を持って、関係者と合意しながらプロジェクトを進めてほしい。
うちの会社の強みを軸に戦略を練って、競合他社を上回る結果を出そう」
—— これの意味は分かります。
「今回のプロジェクトでは、最初にスキームをきちんと立てて、マイルストーンを設定しよう。
その後は、君がイニシアチブを取って、関係者とコンセンサスを得ながらプロジェクトを進めてほしい。
うちの会社のコアコンピタンスを軸に戦略を練って、コンペティターを上回る結果を出そう」
……はい???(日本語で話してもらってもいいでしょうか…?)
こうした“カタカナビジネス語”は、便利だけど意味が伝わりにくいことも。
特に新社会人や業界初心者には「???」が連発してしまいますよね。
こんにちは。ビーズクリエイト営業のタムです。
今回は徐々に浸透してきている”カタカタビジネス語”について解説させていただければと思います。
はじめに|カタカナ言葉がビジネスで使われる理由
「アサインお願いします」「このタスク、リスケで」——
こんな風に、ビジネスの現場ではカタカナの用語が当たり前のように使われています。
でも、いざ意味を聞かれると「なんとなく雰囲気で使っていた…」という方も多いのではないでしょうか。
そもそも、なぜ日本語ではなくカタカナ言葉(横文字)が多用されるのでしょうか?
その背景には、以下のような理由があるみたいです。
- 意味が広く、ニュアンスを含みやすい
例:「スキーム」=単なる計画ではなく、全体の仕組みまで含む など
- 短くスマートで、資料や会話に収まりやすい
例:「KPI」=目標達成のための中間指標 など
- 日本語で訳すのが難しい
グローバル化により新しい考え方・概念として入ってきたものの適した日本語がないケースも。
- “できる人”っぽく聞こえる
カタカナ言葉をうまく使うことで、”できる人”の雰囲気を出すことができ、交渉を有利に進めることも。
ですが、誤解も生みやすく、相手によっては伝わらないこともあるため、正しく理解することが重要です。
「今更聞けないけど実は曖昧なカタカナ用語」を50個厳選して、意味+具体的な使い方とともに、わかりやすく解説します!
ビジネス用語、ざっくり解説!
※50音順です。
ASAP(As Soon As Possible)
読み方:アサップ、エーエスエーピー
意味:できるだけ早く。
例文:この資料、ASAPでお願いします。
ポイント:軽く見られがちだが、納期を強く意識した表現。
PDCA(Plan-Do-Check-Act)
読み方:ピーディーシーエー
意味:業務改善のためのサイクル。
例文:この業務はPDCAを回しながら進めましょう。
ポイント:形骸化しやすいため、実行フェーズが肝心。
KGI(Key Goal Indicator)
読み方:ケージーアイ
意味:最終的な目標の達成度を示す指標。
例文:売上1億円が今期のKGIです。
ポイント:最終的な成果を示す指標で、KPIやKDIの達成度合いを元に評価します。
KSF(Key Success Factor)
読み方:ケーエスエフ
意味:成功のカギとなる要因。
例文:このビジネスのKSFはスピード感です。
ポイント:KGIを達成するために重要な要素や行動。成功するためにはこれが欠かせません。
KPI(Key Performance Indicator)
読み方:ケーピーアイ
意味:目標達成のための中間指標。
例文:週に100件の問い合わせがKPIです。
ポイント:KGIを達成するための過程を可視化するための具体的な数値指標。定期的に評価して、目標に向かって進んでいるか確認します。
KDI(Key Do Indicator)
読み方:ケーディーアイ
意味:目標達成に向けた行動指標。
例文:KDIを毎週チェックして改善に活かします。
ポイント:KPIに対して、具体的な行動レベルでの指標。行動に焦点を当て、実際の業務にどれくらいコミットしているかを測定します。
アサイン(Assign)
意味:人やタスクの割り当て。
例文:この業務、山田さんをアサインしてください。
ポイント:人事やリソース管理とセットで使われる。
アジェンダ(Agenda)
意味:会議などの議題・進行項目。
例文:会議のアジェンダを事前に送っておきます。
ポイント:「スケジュール」とは異なるので注意。
イニシャルコスト(Initial Cost)
意味:初期費用。
例文:このシステムはイニシャルコストが抑えられています。
ポイント:ランニングコストとの違いを理解。
イニシアチブ(Initiative)
意味:主導権、自発的に行動する力。
例文:今回は君がイニシアチブを取って進めてほしい。
ポイント:リーダーシップより“率先力”の意味合いが強い。
エビデンス(Evidence)
意味:証拠、裏付け。
例文:この結果をエビデンスとして提出してください。
ポイント:データや事実を基にした信頼性を重視。
エンゲージメント(Engagement)
意味:関与、積極的な参加。
例文:社員のエンゲージメントを高める施策を考えよう。
ポイント:単なる参加意欲を超えた深い関与を指す。
オポチュニティ(Opportunity)
意味:機会、チャンス。
例文:市場に新たなオポチュニティが生まれた。
ポイント:単なるチャンスではなく、事業戦略における有望な可能性。
オンスケ(On-Schedule)
意味:予定通り、スケジュール通り。
例文:プロジェクトはオンスケで進んでいます。
ポイント:納期を守ることに重点を置いた表現。
ガバナンス(Governance)
意味:統治、管理。
例文:企業のガバナンスが強化されるべきだ。
ポイント:組織の適正な運営を確保するための仕組み。
キャズム(Chasm)
意味:大きなギャップ、断絶。
例文:新規市場におけるキャズムを越えることが課題です。
ポイント:特にテクノロジー業界で用いられることが多い。
コアコンピタンス(Core Competence)
意味:企業の競争優位を生み出す中核的な能力。
例文:当社のコアコンピタンスは技術革新です。
ポイント:他社にはない独自の強みを指す。
コミットメント(Commitment)
意味:責任を持つこと、決意。
例文:このプロジェクトに対して、全員がコミットメントを持って取り組むべきです。
ポイント:目標や責任に対して強い意志を表す言葉。
コンセンサス(Consensus)
意味:合意、共通の理解。
例文:全員のコンセンサスを得て、この案を採用することに決めました。
ポイント:一人一人の意見を反映し、全体として合意を形成すること。
コンバージョン(Conversion)
意味:転換、変換。
例文:ウェブサイトのコンバージョン率を向上させる施策が必要です。
ポイント:特にマーケティングや営業活動で使われる。
コンペティター(Competitor)
意味:競合、競争相手。
例文:当社の主なコンペティターはA社とB社です。
ポイント:競争環境を把握するために使われる。
サマリー(Summary)
意味:要約、まとめ。
例文:会議が終わったら、サマリーをメールで送ります。
ポイント:重要なポイントを簡潔に伝えるために使われる。
シナジー(Synergy)
意味:相乗効果、協力による効果。
例文:この2社が提携することで、シナジーが生まれます。
ポイント:協力し合うことで得られる効果を強調する。
スキーム(Scheme)
意味:計画、枠組み。
例文:新しいプロジェクトのスキームを作成しています。
ポイント:計画だけでなく、その構造や仕組みも含まれる。
スコープ(Scope)
意味:範囲、対象。
例文:このプロジェクトのスコープは広がりすぎないようにしましょう。
ポイント:プロジェクトや業務における範囲を明確にするために使う。
ステークホルダー(Stakeholder)
意味:利害関係者。
例文:このプロジェクトのステークホルダーには、社員や株主が含まれます。
ポイント:プロジェクトや事業に関わるすべての人々や組織。
ストックビジネス(Stock Business)
意味:定期的に収益を上げるビジネスモデル。
例文:サブスクリプションサービスは、ストックビジネスの一例です。
ポイント:定常的に収益が見込める事業形態。
セグメント(Segment)
意味:市場の細分化、区分。
例文:この製品は特定のセグメントに向けたものです。
ポイント:市場をターゲットごとに分けることで、効率的なマーケティングが可能。
タスクフォース(Task Force)
意味:特定の目的のために組織されたチーム。
例文:この問題を解決するためのタスクフォースを立ち上げました。
ポイント:一時的なチームで、特定の問題を迅速に解決するために使われる。
ダイバーシティ(Diversity)
意味:多様性。
例文:企業のダイバーシティを推進することが求められています。
ポイント:性別、人種、文化など、異なるバックグラウンドを持つ人々を受け入れる考え方。
ディスラプション(Disruption)
意味:業界を根本的に変革すること。
例文:テクノロジーの進化がディスラプションを引き起こしています。
ポイント:従来の業界構造やビジネスモデルを崩す革新的な変化。
トップダウン(Top Down)
意味:上層部から指示が出て、下層に伝達される方式。
例文:トップダウンで方針を決定し、各部門に伝達します。
ポイント:命令系統が上から下へ向かう、指示が階層的。
トリガー(Trigger)
意味:引き金、きっかけ。
例文:この問題がトリガーとなって、改革が始まりました。
ポイント:行動を引き起こすきっかけ。
ナレッジ(Knowledge)
意味:知識。
例文:組織内でナレッジを共有することが重要です。
ポイント:個人や組織の持っている知識を活用するために使われる。
ネゴシエーション(Negotiation)
意味:交渉。
例文:取引先とのネゴシエーションを進めています。
ポイント:双方の意見を調整し、合意を得るプロセス。
バッファ(Buffer)
意味:余裕、予備。
例文:納期にはバッファを持たせておいた方が安心です。
ポイント:予測できない事態に備えるための余裕。
バリュー(Value)
意味:価値。
例文:顧客にとってのバリューを提供することが大切です。
ポイント:製品やサービスの価値を表現する。
プライオリティ(Priority)
意味:優先順位。
例文:今のプロジェクトはプライオリティが高いです。
ポイント:他のタスクと比べて優先的に取り組むべきこと。
ブレインストーミング (Brainstorming)
”ブレスト”と略されることも
意味:アイデア出しの手法
例文:みんなでブレストして、新しいアイデアを出しましょう。
ポイント:自由に意見を出し合って、アイデアを創出する会議。
ペンディング(Pending)
意味:保留中、未決定。
例文:その案件はペンディングになっています。
ポイント:解決が待たれている状態。
ペルソナ(Persona)
意味:ターゲットとなる人物像。
例文:マーケティングのためにペルソナを設定しましょう。
ポイント:具体的な顧客像を描いて、ターゲットを絞り込む。
フィックス(Fix)
意味:修正、固定。
例文:この問題をフィックスして、再度チェックします。
ポイント:修正や調整が必要な状態。
マイルストーン(Milestone)
意味:重要な節目、進捗の目安。
例文:プロジェクトのマイルストーンを達成しました。
ポイント:進捗を管理するための目標。
マネタイズ(Monetize)
意味:収益化する。
例文:このアプリをマネタイズする方法を考えています。
ポイント:利益を生み出す仕組みを作る。
リードタイム(Lead Time)
意味:必要な時間。
例文:この商品のリードタイムは2週間です。
ポイント:物事が完了するまでにかかる時間。
リソース(Resource)
意味:資源、人員、物資。
例文:プロジェクトには十分なリソースを投入する必要があります。
ポイント:必要なものを確保し、活用するための要素。
リスケ(Reschedule)
意味:再調整、スケジュール変更。
例文:会議はリスケして、来週に設定します。
ポイント:予定を変更する際に使われる。
レバレッジ(Leverage)
意味:てこ、影響力。
例文:このプロジェクトにはレバレッジを効かせる方法があります。
ポイント:リソースを有効活用して、効率的に成果を上げる。
ユーザビリティ(Usability)
意味:使いやすさ。
例文:このウェブサイトは非常にユーザビリティが高いです。
ポイント:製品やサービスが使いやすいかどうかを表現。
ユーザーエクスペリエンス(User Experience)
”UX”と略されることも
意味:ユーザーが製品やサービスを使う際の体験。
例文:ユーザーエクスペリエンスを向上させるために、フィードバックを集めています。
ポイント:ユーザーが得られる体験全体を指す。
おわりに|「なんとなく使う」を卒業しよう
カタカナ用語は便利な反面、曖昧なまま使っていると誤解や混乱のもとになります。
本記事で紹介した50語は、ビジネス現場で非常によく使われるものばかり。
意味を理解して正しく使いこなせれば、あなたの伝える力や信頼性もぐっと高まります。
「わかったふり」から卒業して、言葉の本質をつかむところから始めてみましょう。
_________________________________