2025年のWeb業界トレンド総括!Web制作会社が注目した国内の動き

この記事のポイント

2025年、Web業界は「AIの実用化」と「人間中心設計への回帰」という二つの大きな潮流の中にありました。この記事では、今年起こった主要な変化を振り返ります。

  • 生成AIが「使う」フェーズへ完全に移行。制作フローや検索体験が劇的に変化。
  • 法改正を背景に、日本国内でもウェブアクセシビリティへの対応が標準的な要件に。
  • リッチな3D表現や没入感のあるWebデザインが増加する一方、パフォーマンス(表示速度)との両立が課題に。
  • Webサイトは「情報を見る場所」から「体験する場所」へと進化を続けている。

2025年のWeb業界、全体像とキーワード

2025年は、一言で表すなら「AIが日常になった年」と言えるでしょう。数年前から話題となっていた生成AIが、Webサイトの制作現場からエンドユーザーの検索行動に至るまで、実用レベルで深く浸透しました。

国内に目を向けると、デジタル・トランスフォーメーション(DX)の流れが引き続き加速しています。特に、改正障害者差別解消法の施行により、Webサイトにおけるアクセシビリティ対応が努力義務から「あたりまえの品質」へと認識が変わった一年でもありました。

Webデザイナーの視点から見ると、AIによる効率化が進んだことで、「人間ならではのクリエイティビティ」や「ユーザーへの深い共感」がより一層求められるようになったと感じます。単にきれいなデザインを作るだけでなく、使いやすさや体験価値をどう設計するかが問われる時代になりました。

トレンド1:生成AIが変えた制作現場とユーザー体験

制作フローにおけるAI活用の定着

もはや「AIを使うかどうか」ではなく「どう使いこなすか」が問われた一年でした。Webデザインの現場では、画像の生成や加工、ダミーテキストの作成、そしてコーディングの補助まで、AIがアシスタントとして活躍しています。

例えば、初期の案出しをAIに複数パターン生成させ、それをベースにブラッシュアップするというフローが実用的なものになっています。これにより、アイデア出しの時間短縮と品質向上が同時に実現できるようになりました。

Web業界からの視点:初心者が陥りがちなのは、AIの出力をそのまま鵜呑みにしてしまうことです。AIはあくまで「優秀な道具」。出力されたデザインやコードが目的に合致しているか、倫理的に問題ないかを判断する人間のディレクション能力が以前にも増して重要になっています。

検索体験の変化(SGEの普及)

GoogleのSGE(Search Generative Experience)をはじめ、検索エンジンに生成AIが統合されたことで、ユーザーの検索行動も変化しました。検索結果の上部にAIによる回答要約が表示されるため、ユーザーはWebサイトにアクセスすることなく情報を得られるケースが増えています。

これに伴い、Webコンテンツは「AIに参照される信頼性の高い情報」と「AIでは代替できない独自の実体験や深い洞察」の二極化が進んでいます。単なる情報の羅列ではない、オリジナルなコンテンツの価値が再認識されています。

トレンド2:没入感とパフォーマンスの両立

Webデザインにおける3Dとインタラクション

Webブラウザの進化やデバイス性能の向上により、Webサイト上でリッチな3Dグラフィックスや複雑なアニメーションを表現することが容易になりました。スクロールに連動して物語が進むような没入感のあるWebデザインは、ブランドの世界観を伝える強力な手段となっています。

特に、製品を360度回転させて確認できるECサイトや、仮想空間を体験できるプロモーションサイトなどが国内でも多く見られました。

パフォーマンス指標(Core Web Vitals)の重要性

一方で、リッチな表現はページの読み込み速度を低下させる原因にもなります。ユーザーは遅いWebサイトを嫌うため、表示速度などのパフォーマンスはSEO(検索エンジン最適化)の観点からも極めて重要です。

Web業界からの視点:優れたWebデザイナーは、「見た目のインパクト」と「快適な操作性」のバランスを常に意識しています。画像の軽量化、コードの最適化、必要なタイミングでのみコンテンツを読み込む技術などを駆使し、「リッチなのにサクサク動く」Webサイトを実現することが、プロの腕の見せ所となっています。

トレンド3:アクセシビリティとインクルーシブデザインの標準化

改正障害者差別解消法の施行と国内の動き

2024年4月に施行された改正障害者差別解消法により、民間事業者においても、障害のある人への「合理的配慮」の提供が義務化されました(Webアクセシビリティの向上は環境整備の一環と位置付けられています)。これにより、日本国内の企業Webサイトにおいても、アクセシビリティへの関心が一気に高まりました。

具体的には、画像への代替テキスト設定、キーボード操作への対応、適切な色のコントラスト確保といった基本的な対応が、標準的な要件として求められるようになっています。

誰もが使いやすい「インクルーシブデザイン」へ

アクセシビリティは、障害のある人だけでなく、高齢者や一時的に怪我をしている人、屋外で画面が見づらい状況にある人など、すべてのユーザーにとっての使いやすさにつながります。この考え方を「インクルーシブデザイン」と呼びます。

Web業界からの視点:アクセシビリティ対応を「法的な義務だから渋々やるもの」と捉えるのは間違いです。多様なユーザーがストレスなく情報にアクセスできるWebサイトを作ることは、結果としてより多くの顧客にリーチし、ブランドの信頼を高めることにつながります。Web制作に関わる私たちは、これをポジティブなデザインの指針として捉える必要があります。

2026年に向けての展望とWeb担当者がやるべきこと

2026年に向けての展望とWeb担当者がやるべきこと

2025年を振り返ると、技術の進歩が目覚ましい一方で、その技術をどう「人」のために使うかという本質的な問いに向き合った一年だったと言えます。

来る2026年に向けて、Web担当者や制作者が意識すべきことは以下の2点です。

  • AIリテラシーを磨き続ける:新しいAIツールや機能は次々と登場します。それらを恐れず、かといって過信せず、自社の課題解決にどう役立てるかを常に考える姿勢が必要です。
  • 「基本」への回帰と徹底:どれだけ技術が進化しても、Webサイトの目的は「ユーザーに情報を伝え、行動を促すこと」です。使いやすいUI(ユーザーインターフェース)、分かりやすいコンテンツ、誰もがアクセスできる設計といったWebの基本原則を、高レベルで徹底することが、結果的に最大の差別化になります。

変化の激しいWeb業界ですが、ユーザー視点を忘れなければ、テクノロジーは強力な味方になってくれるはずです。

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